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最新の空撮用フライングカメラ Phantom 4 【The Newest Gadget Journal】

ドローンの話題がテレビや新聞でとりあげられる機会が増加した。昨年9月には航空法の一部が改正され、同12月10日からドローンやラジコン機などの無人航空機の新たな飛行ルールが導入された。一部の地域では飛行の許可を国土交通省に申請することになった。ルールが整備されたことで、新たな商用利用の可能性が広がろうとしている。

[2016.04.20]

障害物回避や被写体追尾機能で手軽な撮影を実現


 DJIのPhantom 4は、同社のフライングカメラ Phantomシリーズの最新モデルだ。時速72kmで飛行できるクアッドコプターで、最大約28分の飛行が可能になっている。カメラとしての性能は、4K動画を最大30フレーム/秒で撮影できる。また、高性能なセンサーを数多く搭載し、障害物を感知して自動で回避したり、被写体を認識して追尾するなど、高度で容易な撮影を可能にしている。


 Phantom 4のセットアップは、最初に専用のアプリ「DJI GO」をスマートフォンやタブレットにインストールする。アプリはAndroidとiOSに対応しており、マニュアルに印刷されている二次元バーコードからサイトを開けば、必要なアプリを手軽にダウンロードできる。ちなみにAndroidの場合には、インストールの前にアプリのセキュリティの規制を解除しておく必要がある。


 アプリをインストールできたら、次にPhantom 4本体とリモコンを設定する。リモコンとスマートフォンやタブレットはUSBケーブルで接続する。リモコンには、スマートフォンやタブレットを固定するためのクランプがあるので、落ちないようにしっかりと固定できる。それから本体とリモコンの電源をオンにする。電源ボタンは1回押すとバッテリーのチェックとなり、次に長く押すと電源がオンになる。飛行する本体とリモコンとして使う送信機の電源がオンになると、スマートフォンのアプリも起動する。最初の1回だけは、インターネットを経由してユーザーIDなどの登録が必要になる。登録したIDには飛行記録などが保存される。また、Phantom 4本体のアップデートなどもアプリを介して行う。


 DJI GOアプリが本体と連動すると、いよいよフライトが可能になる。アプリをカメラモードにすると、Phantom 4のカメラの映像が画面に映しだされ、各種のコントロールが表示される。最初に「自動離陸」のアイコンをタップすると、1.2mの高さでホバリングしてくれる。その後はリモコンのスティックを使って上下左右の移動や回転が可能で、好きな場所に飛行させられる。


 「TapFly」という機能を使えば、スマートフォンやタブレットの画面に映っている対象物のタップによって、その方向に飛行させられる。その場合は障害物を自動的に回避する。1回の飛行では最大で約28分飛び続けられるが、終了したいときには「自動着陸」をタップするか、「Return to Home(リターントゥホーム)」を使うと最初に離陸した場所に自動的に帰還させられる。インテリジェンスが凝縮されたPhantom 4は、誰でも簡単に空撮を行える優れたドローンなのだ。


開発者向けのSDKも公開


 Phantomシリーズは、空撮用のドローンとして世界的にも広く利用されている。同社の製品では、より高性能なカメラを搭載できるプロ用のモデルもラインアップしていて、高性能な一眼レフカメラやビデオカメラなどを取り付けて飛行できる機種もある。そのシェアは世界でも多く、日本国内では国土交通省に申請されるドローンの約7割がPhantomシリーズという実績だ。


 高いシェアに加えて用途も多様だ。例えば、空撮だけではなく消防署で災害現場の確認用に導入したり、森林や農地などでの測量用途として活用されたりしている。そのほかにも空撮映像を分析するなどの目的で利用されている。さらに、トンネルや橋梁などの状況を確認したり、人が登って行けない高所での安全確認などのために使われる事例も増えているという。


 こうした背景から、DJIでは企業向けの操縦者育成プログラム「DJI CAMP」と技能資格証明となる「DJI CAMP技能資格証明」の提供を開始した。DJI CAMP技能資格には3段階のレベルがあり、最上位のDJIマスターは、100時間以上の飛行操縦経験があり、電波法、航空法などの高度な知識と、重要な業務場面での操縦経験、指導経験、安全運営の知識を有する操縦者となる。こうした資格取得者を社内で擁すれば、それだけでもドローンを活用したビジネスの糸口になるだろう。


 また、同社では開発者向けのSDKも公開している。Phantom 4ではMobile SDKと呼ばれる開発キットが利用できる。Mobile SDKを利用すれば、JavaでPhantom 4の飛行をコントロールするアプリを開発できる。飛行ルートをプログラムしたり、飛行中の各種のデータを収集するといったインテリジェントな飛行を実現する。それは、ドローンに新たな用途をもたらし、商用利用の幅を大きく広げるだろう。


 多くの撮影現場や官公庁などで導入されているPhantomシリーズは、新たなビジネス開拓のキーガジェットとして期待が高まる。

リモコンにスマートフォンやタブレットを装着してPhantomのさまざまな操縦を実現。

進行方向をとらえる二つの光学センサーで障害物を感知し、機体が自動で迂回する障害物感知システムを搭載。

DJI GOアプリの画面。Phantomへの飛行の指示や、Phantom搭載カメラからのライビューの確認、録画のコントロールなどが行える。
※画面はイメージです。実際に画面の場所で飛行はさせていません。

ドローンを飛ばせる空域は?

 DJIでは、自社のホームページでも飛行許可が必要なエリアの情報を提供している(http://www.dji.com/jp/flysafe/no-fly)。このサイトの情報によれば、東京を中心とした首都圏は申請が必要になるケースが多い。ただし、緑地や山林など、地域によっては許可が必要ないエリアもある。飛行の練習などを行う場合は、マップを参考にエリアを探すといいだろう。

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