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シュナイダーエレクトリック 代表取締役 松崎耕介 氏 【Top Interview】

[2016.04.27]

 「シュナイダーエレクトリックは創業から180年間、電力という切り口で事業環境の変化に適応しながら成長を続けてきました。電力は人類に欠かせないエネルギーです。しかし電力は無限のエネルギーではありません。人口や経済の規模にかかわらず効率的な利用が不可欠です。当社は現在、電力利用の効率化に重点を置いています。電気という軸がぶれず、しかも時代に応じた事業展開を180年間も続けている当社は、“眼のつけどころがいい”と自負しています」(松崎氏)

 

 

 

IT事業が国内売り上げの半分を占める


松崎氏(以下、敬称略)■日本市場ではIT事業が国内売り上げの半分を占めており、グローバルのIT事業においても日本市場が非常に大きなウエートを占めています。


 国内IT事業では無停電電源装置(UPS)やサーバーラック、データセンター向けの空調システムやファシリティマネジメント(設備管理)ソフトウェアの4分野でビジネスを展開しています。中でも小型UPSでは大きなシェアを獲得しています。


 一方でデータセンター向けの三相UPSや空調システムは国内には競合が多く、グローバルで比較すると売り上げは低いです。しかし当社には強みがあります。


データセンターソリューションが二桁成長


松崎■当社はUPSと空調システムからサーバーラック、そしてファシリティマネジメントソフトウェアまで、データセンターに必要なソリューションをトータル、ワンストップで提供できる数少ない企業です。その強みが発揮されて去年は国内データセンターソリューション事業において二桁の成長を記録しました。


 今後は日本市場に適した製品、例えば国内で需要が多い電力容量帯の製品を充実させるなどして伸びしろを広げていきます。


既存データセンターの省電力化を狙う


松崎■国内の多くのデータセンターは建築してから20〜25年たっていますが、これらのデータセンターでは電力利用の効率化が大きな課題となっています。例えばサーバールーム全体を冷やす空調システムでは冷やす必要がないサーバーやエリアまで対応してしまうため、無駄に電力を使ってしまいます。


 省エネや節電への意識が高まっていることに加えて電気料金も値上がりしており、設備が古いデータセンターでは電気料金を1割、2割削減するだけで大きな利益が得られます。こうしたデータセンターの内部設備の省電力化に向けた設備更新需要を狙っています。


 当社にはサーバーラック内蔵の空調システムをはじめ、暖かい空気を集めてそこだけ冷やすラックシステム、ラック単位や個々のサーバー、スイッチ、ストレージ等の電力消費量をリアルタイムでモニターして管理するDCIM(データセンター・インフラストラクチャー・マネジメント)のソフトウェアなどのソリューションがあります。 


中小規模データセンターに注力


松崎■IoTの広がりに伴ってデータセンターにつながる端末の多様化や、BCP(事業継続計画)対策を強化する企業の増加によってデータセンターの需要が上がり床面積が拡大を続けていますが、中でも地方での中小規模のデータセンターの開設が活発化しています。


 こうした動向に合わせて当社は昨年より中小規模データセンターに向けたSMDC(Small&Medium DataCenter)ソリューションの提供に力を入れています。


 大規模なデータセンターはビジネスが大きい半面、ビジネススキームが複雑で外資系企業の参入が難しい場合もあり、時間が長くかかるという課題があります。需要が旺盛な地方の中小規模データセンターは、スピード感のあるビジネスが展開できるという魅力があるのです。


サーバー以外のUPS需要が増加する


松崎■国内で大きなシェアを獲得している小型UPSも、まだまだ伸びしろがあります。クラウドの普及によってサーバーの出荷台数は減っていますが、サーバー以外でのUPSの需要が広がっているからです。


 IoTの世界では従来は想定していなかった様々なモノからデータを集める必要がありますが、IoTが普及するほどデータの発生源の重要性が高くなり、データの発生源であるモノの電源が切れると社会システムが停止してしまう恐れもあります。


 また公共施設や公共交通機関などでWi-Fiルーターの設置が広がっており、各種センサーやネットワーク機器、街頭や店舗などのセキュリティカメラ、小売店のPOSシステムなど、電源が切れると問題が生じるあらゆる機器に小型UPSの需要があります。


IT以外の領域にもUPS需要が拡大


松崎■当社にはリチウムイオンを採用した小型UPS製品があります。リチウムイオンの採用によってUPSをより小型・軽量化でき、天井のセキュリティカメラに取り付けられるなど新たな需要と市場が生まれています。しかも5年間の保証とメンテナンスフリーという高い品質も実現しています。


 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて多くの建物やインフラの整備が進められています。電力の安定供給に不可欠なUPSの需要は、IT以外の領域にも需要が広がると期待しています。


パートナープログラムを刷新して成長を加速


松崎■国内でのIT事業の成長にはパートナー様との協業が欠かせません。当社の売り上げの90%以上はパートナー様を通じたビジネスでの成果です。現在パートナー様との協業をより効果的にするために、パートナープログラムを刷新している最中です。


 引き続きダイワボウ情報システム様をはじめとするパートナー様の販売ネットワークを通じて、SMDCソリューションや小型UPSの需要を着実に獲得していきたいと考えています。

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