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ケーブル接続が不要に 【ケーブルレスワールド ワイヤレス化の加速が買い替え需要を刺激する】

機器と機器を結ぶケーブルが仕事の自由度を奪っている。ケーブル接続から開放されれば、もっと快適に仕事ができるはずだ。そんな世界を実現する製品の提案で、買い替え需要を喚起しよう。

[2016.04.08]

Cableless Meeting


ケーブル接続を不要にするMiracast


 ケーブルレス化の商機は会議室にもある。会議時にはプロジェクターや大型モニターを利用してさまざまな説明やプレゼンなどが行われるが、その際に説明やプレゼンを担当する人間がプロジェクターやモニターにPCを接続する際に時間を浪費することが少なくない。それは現時点でも多くの会議室では設置されたプロジェクターやモニターとPCとの接続にケーブルが利用されているからであり、その接続作業で手間がかかるからだ。


 普通に接続するだけでもひと手間かかるが、ポートが対応していなかったりしたら対応するケーブルを見つけてこなければならず、ますます時間がかかってしまう。また、PCを利用する人間はケーブルが届く範囲にいなければならないという制約も生じる。このような足枷を外すことができれば、さらに効率的な会議が実現できるだろう。そこで提案を進めていきたいのがケーブルレス化なのだ。


 ここでいうケーブルレス化とは、プロジェクターやモニターとPCの接続をケーブルレスで行えるようにすることだ。これを実現する技術として現在一般的になってきているのがMiracastだ。Miracastはスマートフォンやタブレット、ノートPCなどの画面を無線でプロジェクターやモニターに投映させられる技術だ。通信にはアクセスポイントなしで機器間でのWi-Fi接続を可能にするWi-Fi Directという通信方式が利用されている。


 Miracastは、AndroidではAndroid 4.2から、Windowsでは8.1から標準サポートされた。一般的にはこれらのOSを搭載しているスマートフォンやタブレット、ノートPCなどの端末でハードウェアの条件を満たしていれば、Miracastを利用した画面転送が可能になると考えていいだろう。もちろんプロジェクターやモニターもMiracastに対応している必要がある。プロジェクターは、Miracastに対応した製品が続々と発売され始めている。モニターに関しては、Miracastに対応したディスプレイアダプターを使うことで画面投映を実現するケースが現時点では多い。


ビジネス向けに機能強化されたPro WiDi


 さらにインテルが開発したIntel Wireless Display(WiDi)という規格もあり、こちらも対応する端末からモニターなどに画面を表示させられる。WiDiは「Miracastにプレミアムな機能が追加された規格」とたとえられる。例えば、著作権保護されたコンテンツの再生に必須対応している点や、Miracastと比較して描画遅延時間の規定が厳しい点などが異なる。WiDiはアプリケーションとして提供されていて、システム要件を満たしたハードウェアで利用可能だ。もちろんプロジェクターやモニター、ディスプレイアダプターもWiDiに対応していなければならない。WiDiはMiracastの上位互換の位置づけなので、WiDiが使用できる環境であれば、Miracastを使った画面投映も可能である。


 WiDiにはビジネス向けに開発されたPro WiDiという規格も存在する。こちらはインテル Core vPro プロセッサーの機能を活用して、管理性や安全性を高めた画面転送を実現しているのが特長だ。プレゼンターの管理や、接続先のモニターの確認といった機能が利用できる。Pro WiDiを利用するにはインテル Core vPro プロセッサーを搭載したPCが必要であり、プロジェクターやディスプレイアダプターもPro WiDiに対応している必要がある。


Pro WiDi対応製品で会議革命を起こす


 Pro WiDi、Miracastに対応した4,000lmクラスの液晶プロジェクター「PT-VW355Nシリーズ」をいち早く市場に投入したのがパナソニックだ。すでに昨年の5月からグローバルで法人向けに提供を開始している。


 「企業においては、ブレインストーミングやブリーフィング、研修などにおいて効果的に会議を行えるプロジェクターが求められるようになっています。そうした会議において、ケーブルレス接続が可能なプロジェクターを活用すれば、効率的でストレスフリーな会議を実現できます」(パナソニック AVCネットワークス社ビジュアルシステム事業部 マーケティング部 商品課 課長 籠谷嘉則氏)


 PT-VW355NシリーズはPro WiDiとMiracastに対応しているため、ケーブルレスで画面を投映できる機器の幅が広いのが魅力だ。さらに独自のワイヤレスアプリケーションも用意しており、手軽なケーブルレス画面転送を実現している。ただし、企業の会議を支えるプロジェクターとしてアピールしていくのは高い信頼性の実現と豊富な会議メニューが用意されているPro WiDi対応だと籠谷氏は断言する。


 例えばPro WiDiでは会議のスタイルに合わせて三つのミーティングモードを選択できる。それは、接続している一人だけがコンテンツを表示できる「占有型」、次のプレゼンターに画面をハンドオーバーさせられる「協調型」、司会者がプレゼンターを指定できる「指名型」となる。これらの会議モードを活用すれば、会議をスムーズに進行させられるようになる。もちろんケーブルレスでだ。


 現状では、将来的なケーブルレス化を見越してPT-VW355Nシリーズを導入するユーザーも少なくないという。Pro WiDiを利用するにはインテル Core vPro プロセッサーを搭載したPCが欠かせない。そのため、インテル Core vPro プロセッサー搭載PCの提案や、プロジェクターとセットでの導入も促していけるだろう。


 さらにパナソニックでは、Pro WiDiに対応した液晶モニター「BF1シリーズ」を4月末から発売する予定だ。ワイヤレスアダプターなしでPCなどの画面を表示できるモニターだ。これからは4〜5人程度で意見交換が行える小規模な会議スペースの需要が増えていくという。そうした環境においても、Pro WiDiに対応したプロジェクターやモニターは効果的な会議の実現に貢献する。「パナソニックはプロジェクターと液晶モニターの双方で会議のケーブルレス化の需要に応えていきます。そして、企業の会議革命をサポートします」と籠谷氏はアピールする。


会議参加者の画面をケーブルレスで同時表示


 会議のケーブルレス化という視点では、インテルが「インテル Unite ソリューション」という会議スマート化ソリューションを提供している。インテル Core vPro プロセッサーファミリーを搭載したミニPCなどで稼働させることが想定されていて、そうしたミニPCをハブにして、「インテル Unite アプリケーション」をインストールしたノートPCやタブレットの画面をケーブルレスでプロジェクターやモニターに投映できるようにする。


 参加者の画面を同時に表示させたり、画面に書き込みを行ったり、その場にいる参加者だけでなく遠隔地からの参加者も会議に加わることが可能な点が特長だ。会議室にUnite ソリューション端末を設置しておくことで、ケーブルレスでスマートな会議が実現できるのだ。Unite ソリューションを搭載したデスクトップPCはすでにデルから発売されている。今後、ほかのメーカーからも提供される予定だという。


 インテルの担当者は、「会議時のケーブル接続で平均8分を無駄にしているという調査結果があります」と話すが、そうした無駄を省き、効率的で快適な会議環境を構築するためにも、ケーブルレス化という試みはこれからますます浸透していきそうだ。

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